JCBがQR・バーコード決済サービスの統一規格の策定に着手した理由とは?

2018年6月14日8:00

ジェーシービー(JCB)は、2018年中のサービス提供に向け、日本カードネットワークとの共同により、国内のQR・バーコード(一次元コード)を使用した決済サービス(コード決済)の統一規格の策定と情報処理センターの構築に着手した。国内で盛り上がりを見せるコード決済だが、JCBではサービス事業者に加え、加盟店目線での規格策定を目指している。

QR・バーコード決済はキャッシュレス化を目指す上で重要に
複数のコード決済の契約の1本化を目指す

JCBはこれまで、クレジットカード決済等をベースに、国際ブランド、イシュア、アクワイアラとして、消費者にサービスを提供してきた。現在、国内のキャッシュレス化自体が20%弱の状況の中、経済産業省からキャッシュレス社会実現に向けた「キャッシュレス・ビジョン」が公開され、将来的に日本ではキャッシュレス決済比率 80%を目指していくという数値目標も掲げられた。その際に、「従来の決済事業者が提供するサービスだけではなく、サービス事業者の提供する新たな決済サービスが活性化しないと、その数字は実現できません。JCBは過去来、市場ニーズに合わせて、電子マネーの開拓等も含めて決済インフラを広げてきましたが、QR・バーコード決済のニーズも確実にあるだろうと考えています」と、ジェーシービー イノベーション統括部 次長(開発グループ担当) 川口潤氏は説明する。

右からジェーシービー イノベーション統括部 次長(開発グループ担当) 川口潤氏、同部 主事 山本貴史氏

ここ数年は、インバウンドのモバイル決済サービスの加盟店が拡大し、また、さまざまなサービスが国内で立ち上がった。JCBでも、QR・バーコード決済を検討していく中で、クレジット決済端末においてQRコードも読み込める端末の提供を開始している。そんな中、各サービス事業者も一定の規模を超えると加盟店開拓を自前で行うのは難しいといった課題もあるため、JCBでは各事業者と話し合いを進めてきた。

「まずは加盟店側のインフラ整備を合理的に進めていきます。QRやバーコードの仕様として、桁数が異なったり、QR、バーコードでの仕様がばらばらになると、加盟店側の開発負荷がかかりますので、表示や電文の仕様について標準的なインターフェースを作るのが1つめの柱です。もう1つは契約面で、1つの契約でさまざまなサービスをご利用いただける形を目指しています」(川口氏)

QR・バーコードを使用した決済サービスの統一規格の策定と情報処理センターの構築の概念図

QR、バーコードなど異なる規格・仕様で展開される仕様を揃える
JCBとして新しいビジネスモデルの構築を見据える

各事業者の大きな違いとして、国内事業者はQRコード、バーコードが混在している。また、例えば、EMVの規格のなかではサービス事業者がポイントを付与するといった定義はされていないため、そこも仕様を詰める必要がある。コード決済の特性を踏まえ、コード読み取り時の容易性やスピーディな取引を実現しつつ、コードの生成や認証という部分も含め、取引全体がセキュアとなるよう設計するとした。一方で、今回の動きは、国内のコード決済を統一化する動きであり、中国のAlipayやWeChat Payとは仕様が異なるそうだ。

すでにJCBでは規格案を策定。JCBの子会社である日本カードネットワークではQR・バーコード決済専用情報処理センターの構築に着手し、規格への対応とセンター接続双方について各事業者に提案を進めている。川口氏は「新しいセンターとの接続は1つの選択肢であり、POSや他のセンターとのセンター間接続も見据えたものとなります」と構想を口にする。

近年は、JCBをはじめとする国際ブランドの決済ネットワークを介さないサービスも登場しているが、「従来のクレジット決済ネットワークにかかるコストをそのままQRやバーコード決済に適用するのは難しいと思っています。先行するQR決済事業者の例などを念頭に置きながら、新しいビジネスモデルの構築を含め、幅広いプレイヤーの方々とお話を進めています」と川口氏は見解を述べる。

なお、コード決済に関しては、参入するプレイヤーは増えているものの、利用する消費者は決して多くはない状態だ。今後は、サービス事業者の努力に加え、官民を含めた推進が整うことにより、広がる可能性は大きいとした。

「JCBプレモデジタル」でQR・バーコード決済を提供へ
連携企業の発表は2018年夏以降を予定

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