NFCによるタッチ方式のモバイル決済普及を後押し インサーを中心にプロジェクトがスタート

2019年1月18日8:00

モバイル・インターネットメディアプラットフォーム運営のインサーは、クレジットカードの国際ブランドが推進するNFC(TypeA/B)対応のタッチ決済を実店舗とウェブ上で利用できるような環境を整える「INCIR(インサー)」プロジェクトの取り組みを開始した。(ライター 小島清利)

このプロジェクトは、シンガポールのIT企業であるGooute Pte.Ltd.(グート)が日本に設立したインサーを中心に、ビックカメラグループであるラネット、日立ハイテクノロジーズ、慶應義塾大学SFC研究所、NECパーソナルコンピュータ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)を始めとする国内外の大手企業や大学とのオープンイノベーションと産学連携による取り組みとしての事業化を目指す。

ラグビー、五輪の観光客増でチャンス

インサー CEO 横地俊哉氏は記者発表の場で、「金融機関を中心にさらに多くの企業に対し、プロジェクトへの参加を呼び掛ける」との方針を表明。今年開かれるラグビー・ワールドカップ日本大会や2020年の東京五輪・パラリンピック、2025年の大阪万博などのビッグイベントを控え、このタッチ決済の方式が普及し始めている国・地域からの観光客の増加をにらみ、採用を表明する企業が増えているといい、インサーを中心に利便性を高めるプラットフォームの構築を目指す。

インサー CEO 横地俊哉氏

「INCIR」プロジェクトは、「INCIR WALLET(インサー・ウォレット)」と「INCIR CARD(インサー・カード)」、「INCIR HOME(インサー・ホーム)」の3つのプロダクトで展開する。

「インサー・ウォレット」は、ペイメントカードの国際統一規格であるNFC(TypeA/B)に対応した非接触技術の「タッチ決済」向けに開発されたスマートフォン向けウォレットアプリ。複数のクレジットカードの登録や、電子マネーを発行することができ、1台のスマホで利便性の高い決済を実現する。

また、「インサー・カード」は「SD CARD(SDカード)」「SMART CARD(スマート・カード)」「SINGLE CARD(シングル・カード)」の3つの種類がある。インサーが企画設計する「INCIR IC」をこれらのカードに搭載することで、「タッチ決済」に対応するスマホ決済を実現する。

3種類のインサーカード

高いセキュリティーでスマホ決済

INCIRの利用者は、「インサー・ウォレット」と「インサー・カード」の組み合わせにより、実店舗での指紋認証やPINコードで高いセキュリティー環境を持った状態でスマホ決済を利用することができる。

横地氏は、日本の大企業や大学をパートナーに選び、産学連携のオープンイノベーションでプロジェクトを進めていく理由として、「セキュリティーの高い状態でのスマホ決済の実現」をあげる。

日本では、すでに独自規格の非接触決済システム「Felica」が浸透しており、タッチ方式の決済に慣れている反面、海外ではNFC Type A/Bのタッチ決済の普及が進み始めており、これに対応する決済システムの構築が急務だと判断した。

インサーが日本市場でターゲットとして考えているのが、手ごろな価格で使うことができる「格安スマホ」のユーザーだ。この格安スマホ市場で、SDカードを差し込むだけでセキュア―なスマホ決済を可能にし、キャッシュレスのすそ野の拡大を目指す。「インサー・ウォレット」と「インサー・カード」は今秋の提供開始を目指す。日本市場での顧客開拓と並行し、海外でもタッチ決済の普及を加速させる。

安全・便利なEC環境を提供

さらに、ウェブのHTML5技術を活用し開発されるプラットフォーム「インサー・ホーム」では、指紋認証かPINコードを活用したウェブ認証と「インサー・ウォレット」と連携するオンライン決済の実用化も進める。

「インサー・ホーム」は、スマホだけでなく、パソコン向けにも開発され、NECパーソナルコンピュータが販売する端末にも提供される予定。INCIRプロジェクトで配信する広告については、DACと協力し、DACが持つデジタルマーケティング関連のソリューションを活用し、さまざまなタイプの広告を配信する。

インサー・ホームでは、「PLUS(プラス)」という独自のクラウド型コンテンツマネジメントシステム(CMS)を使う。ユーザーは、ビューアーと呼ばれる専用のコンテンツ再生アプリを使うことなく、音楽やマンガ、動画などを楽しめる。このPLUS機能を使って、EC運営会社が商品の動画レビューを配信することも可能。インサー・ホームは5月のサービス提供開始を目指す。

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