大阪府泉佐野市、インバウンド玄関都市でスマホ決済によるキャッシュレス化を推進

2019年3月11日7:53

ポイントカード「さのぽ」で地域活性化を目指す

海外からの玄関口である関西国際空港を沖合に擁する大阪府泉佐野市は、増え続けるインバウンド(訪日外国人観光客)に対応するため、キャッシュレス化に力を入れている。NIPPON Tablet と連携し、同時通訳やキャッシュレス決済サービスなどの機能を搭載したタブレットを市内の観光施設に設置して実証実験に取り組んでいる。また、泉佐野地域ポイント「さのぽ」を展開し、ユーザーのすそ野を広げている。

中小飲食店での決済環境整備が課題
中国のモバイル決済の導入店舗が増加

泉佐野市 生活産業部 まちの活性化担当理事 兼キャッシュレス推進担当理事 市町公室統合型リゾート誘致担当理事 西納久仁明氏は、「2010年に観光庁が実施した調査によると、大阪府泉佐野市に宿泊する外国人観光客の数が多く、特に中国から大勢の観光客が訪れています」と話す。この結果を受けて、インバウンド対応として、観光交流プラザの設置を進めた。

左から泉佐野市 生活産業部 まちの活性化担当理事 兼キャッシュレス推進担当理事 市町公室統合型リゾート誘致担当理事 西納久仁明氏、同部まちの活性課 係長 林久登氏
 

2012年12月、関西国際空港に隣接する臨海副都心である「りんくうタウン」に、観光などの情報発信と外国人旅行者との交流の拠点であり、特産品や地場産品のPR・販売を行う観光交流プラザ「りんくう まち処(どころ)」をオープンさせたのを振り出しに、2013年10月には、関西国際空港第2ターミナル内にも、観光情報プラザ「関空 まち処」を設け、「りんくう まち処」と連携し、地域の魅力を発信している。

そして、2017年3月には、3つめの拠点として、泉佐野駅山側商店街に、外国人対応観光案内や、特産品協定を締結している自治体などの特産品アンテナショップ「泉佐野まち処」をオープン。まち処には、NIPPON Tabletが運営する同時通訳やキャッシュレス決済サービスなどの機能を搭載したタブレットを設置した。

西納氏は「高額商品の販売については、クレジットカードなどのキャッシュレスが進んでいるものの、少額取引である飲食店などでの決済は現金主義が根強く続いています」と話す。その背景には、クレジットカードで支払われた売上が店の銀行口座に入るまでの期間が長いことがある。

泉佐野駅の周辺には、外国人も多く、外国人に特化したホテルも賑わっており、高額商品ではクレジットカードや銀聯などのキャッシュレス決済が行われるが、中小の小売店にとっては、補助制度を活用して初期投資が抑えられても、ランニングコストの負担は重い。また、多額のキャッシュフローを用意しているわけではないので、売上金が収益化するまでの期間が一カ月かかると、資金繰りに影響を与えかねないからだ。WeChat PayやAlipayといったモバイル決済は、売り上げが収益化するまでの期間が1週間から10日と短いため、市内での導入店舗も増えているそうだ。

100%に近いキャッシュレス化を目指す
カードのデータで地元店舗の経営改善へ

泉佐野市は2019年度に、店舗の負担が少ないQR/バーコード決済を牽引役としたキャッシュレスの促進に力を入れる方針だ。西納氏は、「端末については、NIPPON Tabletに決めてしまうわけではなく、公募をかけて、事業者に対するヒアリングを経て、検討する方針です。キャッシュレス化は地元の経済活性化に効果的で、できれば100%に近いキャッシュレス化を目指したいですね」と話す。

一方、地域通貨を活用した展開にも取り組む。泉佐野市内の加盟店でショッピングをしたり、市の事業に参加するとポイントが貯まり、ポイントを使って(1ポイント=1円)買い物ができる泉佐野地域ポイント「さのぽ」を2017年10月1日からスタートした。加盟店は170店舗にのぼり、1万9,000会員を集めている。

泉佐野地域ポイントカード「さのぽ」

「さのぽ」の導入で、泉佐野市が期待するのは3つの効果だ。1つ目は、泉佐野市が展開する事業に対し、多くの市民に興味を持ってもらうこと。行政ポイントを発行するのもそのためだ。2つ目は、地元の中でお金を循環させること。そして、3つ目はカード利用に伴い得られたデータをもとに、地元店舗の経営改善に役立てようという狙いだ。

西納氏は「1つ目と、2つ目の目的についてはある程度効果を得られています。3つ目については、マーケティングに活用するためのデータの加工をすすめるのが課題です」と話す。当面の目標は250店舗に加盟店を増やすこと。現在はICカードのTypeAカードを利用しているが、スマートフォンのアプリにして、利便性を高める構想もある。さらに、地域でのQR/バーコード決済の活用との相乗効果を出す仕組みについても検討する。

ナイトタイムエコノミー・キャッシュレス実証実験実施
訪日外国人の受け入れ環境を整備

新たな取り組みとしてナイトタイムエコノミー・キャッシュレス実証実験を2019年2月9~10日、りんくうパピリオ星の広場周辺(りんくうタウン駅構内)で開催。「エンターテイメント型ナイトマーケット in りんくうパピリオ」と題し、地域通貨「さのぽ」カードで利用できる飲食・物産屋台が多数出展し、「さのぽ」カード受付ブースで、イベント当日に1,000円以上チャージした人に対し、200ポイントをプレゼント(1カード1回限り)した。

ナイトタイムエコノミー・キャッシュレス
実証実験を実施

同部まちの活性課 係長 林久登氏は、「訪日外国人観光客が望むナイトマーケットやキャッシュレス決済の受入環境を整備し、普及させていきたいですね」と温かく語った。

カード決済&リテールサービスの強化書より

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